PubMedID 25862636 Journal Acta Neuropathol, 2015 Jul;130(1);35-47,
Title Aβ43 is neurotoxic and primes aggregation of Aβ40 in vivo.
Author Burnouf S, Gorsky MK, ..., Gronke S, Partridge L
広島大学神経精神病態制御学  内匠研究室    杉浦 智仁     2015/08/29

Aβ43 は神経毒性を持ち、Aβ40をvivoで凝集させる
近年、アミロイドβの中でAβ43 のアルツハイマー病における病原性について報告がなされているが、vivoのデータは乏しく、筆者らはDrosophilaのモデルを使って、Aβ43 の病原性について検討した。
まず、Aβ40, 42, 43のtransgenic flyを作製し、Aβ40と比べて42,43で運動能や生存率が低下することを示した。次に、WBで不溶化した43タンパクが増加していることを示し、inductionを止めた後のクリアランスが40と比べて低下していることを確認した。そして、43が自己凝集するだけでなく、40を引き入れて凝集させる作用を持っているかを確認するため、発現するAβを半分に落としたflyを用いて、40+40と40+43の掛け合わせで変化を起きるかを検討した。発現を落とした40,43単独では始めの実験の様な生存率の低下は見られず、40+40と比べて40+43で運動能と生存率が低下することを確認した。そしてbrainから抽出したAβ40が40+43の場合でのみ不溶化して検出されることを示した。
これらの結果から、Aβ43 がvivoにおいても高い病原性を示し、アルツハイマー病の病態に関与していることが示唆された。
   
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